グランド・ツアー・オブ・シカゴ


8日の朝、9時ごろオヘア空港に到着し、
ホテルに着いたのは11時をまわっていた。
空港からホテルまでの交通手段は
「コンチネンタル・エアポート・エキスプレス」(小型のバン)を使った。
この空港シャトルバスは、グループの人数によって料金が変わる。
私達は二人だったので32ドルかかり、
ダウンタウンのホテルまで約1時間かかった。

正午にパーマー・ハウス・ヒルトン前から出る、
市内観光バスに乗る予定だったので
急いでチェック・インを済ませ、
ホテルに併設されている旅行代理店に行ってバス・ツアーを申し込んだ。

選んだコースは、
4時間でシカゴのダウンタウンのポイントをまわる「グランド・ツアー・オブ・シカゴ」
係員の人に案内され、通りに面した歩道でバスを待っていたら、
通りのほぼ真上に作られた鉄骨の線路の上を、
ガラガラとすさまじい音を立てて古い電車が走っていった。
これがシカゴの街のひとつのシンボル、”L”(エル)と呼ばれる電車。
14年前に仕事でシカゴに来た時、
一人でこの電車に乗って揺られた記憶がよみがえってきた。

道路の脇のあちらこちらに、
自転車を一時的につなぎ止める四角い鉄のようなパイプが作られている。
たった数分の用事であっても、
自転車を鍵のついた頑丈な輪のようなものを使って、
そこにくくりつけている人が何人もいた。
日本ではあまり見られない光景かもしれない。

15分程待って、大型の観光バスが目の前に到着。
すでに満員とも言えるほどのお客さんを乗せていて、
私達はやっと座ることができた。

運転手さんがガイドもこなし、ひとつひとつ丁寧に説明してくださる。
抑揚のつけ方が私の耳にはとても心地よく、
まるでお芝居のセリフを聞いているかのようだった。

シカゴの街には新旧の素晴らしい建物があふれている。
目をみはるような斬新なスタイルの建物があったかと思うと、
1800年代にできたと思われる美術館やホテルも堂々とした風格に包まれ建っている。
古い建物を大事に保存していることが一目瞭然にわかり、
街全体にシカゴの歴史が横たわっている気がした。

最初は、一生懸命ビデオのカメラをまわしていたが、
そのうち目を開けていられなくなってしまった。
この時、シカゴは午後2時。
日本では午前4時にあたる。
飛行機の中では一睡もできなかったので、
急に睡魔に襲われた。

途中ミシガン湖の向こう側に高層ビルがそびえる絶景の場所にバスは着き、
そこで15分間の自由時間となる。
ミシガン湖は広大で、まるで海のように波が打ち寄せ、
エメラルド・グリーンの色が美しい。
絵になるような風景を写真におさめ、すぐバスの中へ。
もっと外の空気を吸っていたかったのだが、
風が強く、急に寒さを感じ、5分と外に立っていることはできなかった。

マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフ、
そして、ローリング・ストーンズなどの大御所のミュージシャン達がレコードを吹き込んだ
「チェス・レコード・スタジオ」の前を通った時は、目を凝らして見てしまった。
一瞬で通り過ぎてしまい、
伝説のスタジオを見学できず、残念な思いをした。

一通りバスがダウンタウンを回ると、
運転手さんはお客さんが「ここでおろして下さい」と頼んだところで降ろしてくれる。
最後、バスに残っていたのは私達二人だけだった。
宿泊するホテルの前で降ろしてもらう。
4時間のバス・ツアーは内容も盛りだくさんで、
シカゴの建物を外から充分鑑賞することができた。
魅力的な場所が多々あり、1ヶ月滞在してもまだ足りないと思った。

<04・4・26>

パーマー・ハウス・ヒルトンのロビー

この鉄骨の高架の上を“L”が走る

ミシガン湖に面するシカゴの摩天楼